撮影場所 大阪府 撮影日 1973年頃
男の化粧 山口さん(仮名)のこと 山口さんは昼間はやくざの手下で露店の店番や怪しい商品の配達などをやっていた。半袖シャツの袖からは少しだけ刺青が見えて、 顔は一目でその筋とわかる人相だ。 それだけでは食べていけないのかそれとも趣味なのかは不明だが、夕方からは金髪のかつらをかぶり素敵なワンピースを着て綺麗に化粧をして町に立った。 普段の人柄は温厚で昼間のやぐざバージョンの時 何度か飯を奢ってもらった。その温厚な氏が怒るところを1度だけ見たことがある。 夜のお釜姿で男を蹴りまくっていた。姿はお釜だが、言葉はやくざバージョンだ。 殺しそうな勢いだったので(それくらいでと)声をかけた。 最後に男の顎のあたりを蹴り上げた。男がかたわかそれに近い状態になったのは明らかだ。 当時この町では男がひとり血だらけで倒れているくらいでは大騒ぎにならなった。 そして私に飲みに行こうかって言った。 12時過ぎても営業してい飲み屋はたくさんあり、朝まで飲んだ。 何でも東北の出身で故郷には妻子がいるとのこと、金を稼がないと帰れないって話をするとき泣いていた。 朝焼けが窓から見える頃には山口さんの化粧した顔から濃いひげが伸びて白い饅頭に黒い針を刺したような顔になった。 その数年後、山口さんは故郷に帰り大酒を飲み山のトンネルで寝ているところを車に轢かれて死んだ。妻子は多額の保険金を貰ったそうだ。 (この話は掲載中の写真の方とは一切関係ありません) ![]()
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